ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

山村誠一のさえずりサウダーヂ @豊中市立文化芸術センター(2022/09/02 ライブレポート)



待ちに待ったさえずりサウダーヂの初ホールコンサート。外観からしてとても綺麗なホール、豊中市立文化芸術センター。小ホールの客席はわりと急な階段状だけれど、とにかく天井が高くて、気持ちの良い空間。ライブが始まるまで。ステージ後方のガラス張りの窓からお庭が見えていて、なんともいい感じ。音響や照明の関係とかかな?ライブが始まると閉められてしまったけど、なんならお庭見ながらでもいいのなぁ。

たぶん室内楽用のホールだと思うけど、ホール一面、壁に木製の反射板みたいなのがストライプに設置されていて、すごく綺麗。スティールパンの響きってなかなかやから、やっぱり天井が高くないとキツイみたいで、その点でもこのホールは凄く良かったみたいです。

 

そんな美しいホールに今日は3人のメンバー。残念ながらピアノの鶴来さんは体調の都合で欠席。ほんと残念。でも、ある意味それがレアで、誠一さんのスティールパン・やーそさんの7弦ギター・かなでさんのヴァイオリンと、なかなか聴けないさえずりサンドがとても良かった。もの凄く練習したと仰ってましたが、そんな努力を感じさせないほど、さらりといつも通り、まとまりのある演奏で、気持ち良かった。

休憩挟んで1部・2部制。

1曲目の「Berimbau」は誠一さんが客席後方から、正にそのビリンバウをびりんびりんビヨ~~~ン♪って言わせながら登場。面白い演出で、初めてのお客様も釘付けだったのでは?!

その後、前半は定番の…と云う感じのさえずりプログラム。ゆったりゆらゆらできる感じの流れで気持ち良く浸ることができたけど、なんとなく、かなでさんのヴァイオリンの音が小さい感じがして残念だった。前半の最後2曲から、ベースの己斐さん登場! 拝聴するのは二度目ですが、独特の間を持ったグルーブ感がたまらない。「山の民 島の民」での、小節の一拍目だけベースが鳴る部分のインパクトが確かに凄くて、MCでも誠一さんが「四分音符の男」と評するくらい(笑)。ベースが入るとやっぱりいい意味で少し重たいサウンドになるけど、暗いと云うことではなくて、ぶ厚さと幅が出るような感じで気持ち良かった。そう、己斐さんのうねり感気持ちいいです。

 

休憩の後の後半。ここでヴァイオリンの音がちょっと大きくなってた気がします。良かった。1曲目「空のアニマ」も何度かライブで聴いたことがあると思うけど、今回、誠一さんがされている”情景”と云う、色んな打楽器や民族楽器を使って音で風景を描き出すような、アドリブ的演奏が加わって、すごく聴き応えがあった。“情景“好きです。そしてなんと云うか…、誠一さんが演奏している横で、それを味わいながら待っているやーそさん、かなでさんの雰囲気がすごくいいなぁ…と思った。もちろんちょいちょいギターやヴァイオリンの音が入ると云う演出もあってのことだけど、ただ待ってるんやないよねぇ。やっぱり聴いてはる。その舞台の上の姿がなんともいいんです☆

その後、珍しく?カバー曲が3曲続き、「鉄腕アトム」楽しかった!

オリジナル曲に戻っての「葡萄の木」は、まさかの作曲者・鶴来さんのピアノ不在での演奏やったけど、ここでも己斐さんのベースが入って、なんともレアな、でもとても素敵な曲を聴かせてもらった。きらびやかさはなくなるけれど、ベースがゆったり鳴っていると、曲全体が丸くなるような印象で、これもまたいい。この曲は、覚和歌子さんの歌詞がほんとに素晴らしくて、かなでさんの歌も伸びやかで気持ち良くて、毎回絶対涙腺崩壊するんです…。インスト大好きだけど、歌モノもいい。

最後3曲はさえずりな夜の定番曲に戻って、真夏のクリスマス曲で大団円!

プラス、アンコールは「Caribbean beans」で締めくくり。「また会おう」か聴けなかったのが残念やな~…。

 

いや~、たっぷり聴かせてもらったけど、あっと云うまの時間やった。ほんまに楽しかった。もちろんいつもの、ライブハウスとかお店とかでのさえずりも好きだけど、ホールでプログラム見ながらゆっくり堪能するさえずりサウダーヂも最高です。またやって欲しい。他のホールでも聴いてみたいなぁ…。