ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

Sugar&Spice tenjin9 LIVE @ 岡山・能楽堂ホールtenjin9(2024/03/10 ライブレポート)

ヴァイオリニストNAOTOさん、ギタリスト石成正人さん、ピアニスト松本圭司さんによる、Sugar & Spice。2023年に一番よく聴いたCDは?と聞かれたら、迷わず「Sugar & Spiceの1st.アルバム!」と答えられるくらい、それはそれはずっとBGMヘビロテでした。なんなら、3回セットしてる携帯のアラームも全部シュガスパです(笑)。朝からSunset Cruiseで起きてるのです♪(ちなみにアーティストとしては絶対NAOTOさんソ
ロのCDを一番聴いているけれど、枚数多いので、日々分散されます…)。

元々はコロナ禍で、札幌のライブハウスの危機を救うために、そのライブハウス縁のアーティストを集め、圭司さんがチャリティーCDを作成したのがきっかとのこと。当時はスタジオに集まって録音することができず、それぞれの家で宅録した音源をまとめてアルバムを作成したそうで、その時の経験から「会わなくても作れるね」と云う結論に達し、このシュガスパもそうやって作られる。いつも、もちろんこれまでお互い長年一緒にやって来たからこそ、会わなくてもできると云う注釈つきで。

NAOTOさんの活動はソロ、音楽監督、録音…と多岐に渡るし、石成さんも圭司さんも、たくさんのアーティストのライブやレコーディングで引っ張りだこの超ご多忙さ。3人が集まるのは大変で、シュガスパのライブは5ヶ月振り。

大好きなのでできるだけ観たいライブだけど、タイアップの関係もあり、西日本での公演が続いているのでありがたいです。


昨年5月のアルバムリリースライブ以来、シュガスパのセットリストはアルバムから全曲やるのが定番化しているよう。これからの展開を想像すると、こんな今も貴重なのかな…と思う。

セットリストの順番は毎回違うけれど、今回の並びはとっても好きでした。「薫風に誘われて」と「aqua celeste」が並んでたり、「Sunset Cruise」と「Happines」が並んでいたり、とても自然で聴きやすい。あ、1曲目は「Sugar & Spice」でした。


なんせ2ヶ月振りのNAOTOさんのヴァイオリンの音。砂漠のオアシスのように細胞が喜ぶ音楽に、幸せいっぱいになりました。でも1曲目のヴァイオリンの音がとても小さくて、ちょっと動揺。これを聴きにきてるのに!ってなってしまったけど、そこは皆さん大ベテランです、仕切り直してくださって、いい感じになりました。よかった。

 

そして、間々の緩めの爆笑MCが今回ほんとに楽しくて!圭司さんめっちゃいいキャラしてる(笑)。独自路線のトークが面白かった。NAOTOさんも自爆ネタ多めで、お気に入りのココイチの店長さんの味を愛するあまり、シフト表を貰おうとしてヤバいストーカーと勘違いされた下りとか、思い返してもお腹痛い(笑)。音楽に関しては超プロフェッショナルで抜群のセンスだけれど、こと食べ物になると偏愛と変態が混じってるあたり、とっても愛おしさを感じます☆
石成さんから、楽器屋さんで試奏するの恥ずかしいよね…とまさかの話題。あの石成さんが!数々のメジャーアーティストの舞台でぶいぶいギター弾いてる石成さんが、何弾いていいかわらかなくなって、恥ずかしいそうです。わかる!!とめっちゃ共感してしまった。ついでに圭司さんも、ストリートピアノなんて絶対弾けないくらい、恥ずかしさを感じるそう。
会場のロビーにもグランドピアノが置いてあって、なんと開場前に少し弾かれたそうです。わ~勿体ない。それ聴きたかったなぁ。今度はロビーでやるのもいいね、なんてNAOTOさん仰ってたけど、ぜひ、プレミアな感じで間近で生音で聞かせて頂きたいなぁ…想像しただけでうっとり…。


MCのこと先書いちゃったけど、音楽はもちろん、とっても楽しくて、矛盾しているようだけど、濃厚なのに軽やかなのです。タイアップ曲も多いし、全体的に明るくてポップでキャッチー。アルバムだとそれがいい感じのまとまりで、すっきりと納まっているけれど、ライブではそれぞれのアドリブプレイで長くなったり、自由に楽しんでるのかな?と思います。それこそライブを聴く醍醐味!毎回違うとか、最高に楽しい☆

今回、アルバム曲以外がNAOTOさんのオリジナル曲「UNKNOWN ASIA」と、圭司さんのオリジナル曲「K.B.T.」で、圭司さんの曲のソロプレイが本当にそれぞれカッコ良かった。曲終わりでNAOTOさんが溜息つかれるくらい、それぞれ休みなく弾き倒してて、聴いている方もエキサイト。いや~たまらんかった♪ 終って欲しくなかったほど。
「Phantom in Mumbai」も、導入のところの、なんとなく石成さんが爪弾くシタール調の演奏から、途中の掛け合いとかもとっても素晴らしかった。この曲は、石成さんが変則チューニング使ってるのだけど、どんなのかちょっと気になるー。でも私の耳では分らないー。
掛け合いが素晴らしいと言えば、アンコール曲の「Karin」。元々石成さんのオリジナル曲で、とてもゆったりとした美しい曲だけれど、途中、NAOTOさんと圭司さんが全く違う雰囲気の曲調を織り交ぜてソロの掛け合いをしてて、それが絶妙に楽しかった。メヌエットみたいなクラシックっぽいフレーズと、ジャズっぽいコードを行ったり来たり。お二人の笑顔が見えると、ああ、楽しいんだなぁって、こっちまで嬉しくなる。石成さんのギターは、アコギでもちょっとエレキっぽいのかな?と感じる。でもそれが、私が普段接している指弾きのアコギ音楽とは全く違って、これもとてもいいなぁって、毎回感じます。アコギらしさって、色々あっていいと思う。

 

会場はRSK山陽放送さんの数年前に新築された社屋の中にある能楽堂・tenjin9。見所(けんしょ・客席のこと)も広くて、フラットなのにどこからでも見やすいのが素晴らしい。音がよく広がる会場のように思いました。能楽堂なのに照明がバリバリ演出できるのも、イマドキで凄いっす!翁もびっくり。
来場者全員に地ビール「独歩」を配ってくださったり、サイン会参加のためにCDを買ったら、ポスターも付けてくださったり、至れり尽くせりでした。RSKさんありがとうございます。


楽しみにしていたドキドキのサイン会も、もっと流れ作業かと思っていたけど、それぞれ二言くらいお話しする間があり、嬉しかった♪ もぉうNAOTOさんのキラキラ振りが凄くて、美オーラに圧倒されて放心しそうになる自分を、必死に叱咤しておりました。なんでこんなに綺麗でカッコいいんだろう…困る。間近でのサイン会は初めてだったので、すごく嬉しかった。石成さんの丁寧なサインと笑顔も嬉しく、圭司さんの飄々とした対応も”らしく”て嬉しかったなぁ。次は2nd.アルバムへサインして頂きたい。