ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

NAOTOクラシカルコンサート(くすりの福太郎×LION 共同企画) @ 東京・ベルサール虎ノ門(2024/01/13 ライブレポート)

毎年?か定期的に開催されているコンサートのようだけど、応募してご招待して頂くと云う狭き門の企画。今回たまたま期間中に、押尾さんとNAOTOさんのクリスマスコンサートがあり、応募条件である「くすりの福太郎さんでLIONさん製品を購入する」と云うミッションがクリアできた。昨年122日の幸運で運を使い果たしたと思っていたので、まぁ無理やろう…と感じつつも、NAOTOさんがクラシックを弾いてるライブにまだ行ったことがなかったので、生音かも!と云う期待もあり、行きたくて行きたくて仕方なかった。昨年なかなか東京に行けなかったけど、このライブの為なら全然行きます!くらいの勢い。そしたら嫌われてると思っていたヴァイオリンの女神様が微笑んでくれて、なんと当選!クリスマス当日にお知らせの封書が届くと云う粋な計らいで、大喜びしました。それからあまり期間はなかったけど、もぉう楽しみで仕方なく、年末年始のエグい仕事も笑顔で乗り切ることができた(た易いな…私)。

 

あまりにも素敵すぎて冷静さを欠いた、感情的なライブレポを()
いやマジで。NAOTOさんが素敵すぎて、王子さま通り越して、奏楽の大天使さま級やった! 背中にでっかい羽根がばさばさと生えているのが見えたもん。まさに天国。白のシャツに細身の白のスーツ。ふと思うと、真っ白のNAOTOさんを生で拝見するのは初めてではないですか。そりゃ破壊力凄いっす。

もの凄くテクニカルな曲でも滑らかな音が会場を飛び交って、夢見心地で抜けてしまった私の魂が、その旋律に乗ってどっかに持って行かれるみたいな感覚。ちなみにまだ帰ってきてくれません、その魂。どっか彷徨ってるのかな。

 

ベルサール虎ノ門は椅子席で200席くらいの、縦に長い室内楽のホール。壁も反射するように作ってあり、ちょうど真ん中ら辺よりやや前寄りの席だったけど、もの凄く豊かに柔らかい音が、綺麗に響くホールでした。

途中のMCでのNAOTOさんの説明も色々と興味深く。広いステージ上で、隣のパート同士で席を詰めて座るのは、音がズレないためとのこと。この編成で、ポップスやロック的な細かいフレーズを弾くと、クラシックのホールでは合わせるのが大変なよう。ライブハウスでスピーカーを使う時と、残響が全く違うのかな?と勝手な想像。 そんなホールなので、客席で手拍子されると前の方と後ろの方の人で、ステージに聞こえてくる音もズレるようで、拍手に聞こえて演奏できなくなると!それは大変。NAOTOさんのライブだから、手拍子したり手を振ったりしたいけど、そこはグッと我慢。でも本編最後の「HIRUKAZE」だけは、ちっちゃく指拍子とお手振りOKと言ってもらって、やっぱり楽しかったです。

また、弦楽四重奏がなぜよくできているのか?と云う説明もあり、単音楽器である弦楽器が、それぞれの音を鳴らして4つ重なると、四和音のコードが鳴っている仕組みになり、7th9thのコードも表現できると。これはギターを弾く自分にとっては、とても分かりやすい話しで、弦楽四重奏をそう云う視点で見たことがなかったので、ワクワクしました。こう云うお話しも、説明して頂かないと分らないので、嬉しかったなぁ。実例の演奏の時に、柳原さんがボケてみて下さったのが楽しく、この日は終始標準語だったNAOTOさんが、突っ込む瞬間だけ「なんでやねん!」と関西弁になってたのもツボ()。その後もちょいちょい有弥さんを観察していると、楽しかったです。物静かだけれど、ロッキンカルテットの時とかも熱いですもんね!

 

今回の編成はNAOTOさんがメインで、榊原大さん(Pf) / 川口静華さん(Vn) / 柳原有弥さん(Vn) / 大谷舞さん (Va) / 水野由紀さん (Vc) / 一本茂樹さん(Cb) と云うラインナップ。

曲によって編成も変わるので、NAOTOさんが最大限効果的に音が重なるように考えられているのが伝わってきます。最初のMCで「クラシックの曲は1曲目だけ」と仰られてモーツァルトのディベルティメントを演奏。美しい女性お三方とNAOTOさんと云う、のっけから美麗な絵にドキドキ。2曲目はビックリまさかのDEPAPEPESTART」。面倒見が良くて仲間想いのNAOTOさんの愛を感じる選曲、かつ、原曲で2人がソロを弾いてるパートのNAOTOさんのアドリブがめっちゃ良かった☆ 続く「PARAMUSHIR」を弦楽だけで表現したアレンジが、最高に美しかった。クラシックだけじゃない弦楽四重奏最高です。知らないと勿体ない。この曲のヴィオラ・大谷舞さんのソロパートが超カッコ良くて、流石フィドル的な弾き方を得意とされてるだけあって、エキゾチックなこの曲によく合ってました。こう云う采配が流石なのも、色んな場所で音楽を構築されてるNAOTOさんの手腕だな…とときめいた次第です。

…と、ここまでの3曲がNAOTOさんが座っての弦楽四重奏スタイル。次からはNAOTOさんがセンターに立ち、四重奏を従えての「strings shower」で、生音で聴くとすごく明るい印象の曲になるのが楽しかったです。次からはさらに一本さんのコントラバス(ようはジャズでのウッドベース)が入り、ポピュラー音楽的アプローチがグッと深くなったように感じた。「Expectation」のスピード感は室内楽でも気持ち良く、MCの時のオリコンに纏わる発売裏話も面白かったです()。そしてNAOTOさんが、これを弾くために久々にめっちゃ練習したと仰られていたレア曲「Etude for Children No.1 “Spanish”」。私はまだファン歴が浅いので、ほぼほぼ全部レア曲なんだけど、それにしても難しいのはよく分かります。去年のNAOTOさんのバースディライブでNo.2 “Peace”を聴かせて頂いて驚いたけど、両方聴けた幸せと、今回のNo.1演奏時の圧倒的な正確さと表現力に、ただただ圧倒されました。バイオリンのことを知り尽くし、かつ作編曲される人だからこその、楽器のポテンシャルをめいっぱい引き出した曲。それを弾きこなす技術もまた凄いです。それでも鬼気迫ると云うよりは、端正な美しさでもって弾いてしまうのがNAOTOさん。だから背中に羽根が生えて見えるのです。で、魂抜けてぼーーーーーっとなって1部終了。

 

2部から満を持してピアノの榊原大さん登場。MCで笑いも誘いつつ、長年タッグを組まれているお二人の安定感素晴らしく、聴いててめちゃくちゃ気持ち良かったです。大さんのピアノは2年ほど前の押尾さんのクリスマスコンサートで聴いているけれど、今回印象が全く違って、もの凄いトキメキました。綺麗☆ 特にピアニッシモまで行かない手前の弱めの音が最高に美しく、大さん最高~と思いました。10代半ばの頃、G-CLEFのアルバム聴いてたから、大さんの音も知ってるはずなんだけどなぁ。いまの演奏をもっと聴いてみたいと思ったし、NAOTOさんと2人で…と云うパターンも是非体験したい☆

休憩中もドキドキが止まらなかったので、2部が始まると胸キュンが強くなるようで、一人で困り果てておりました。やだやだ。 1曲目「Bach147」とチックコリアの「スペイン」は、大さん一本さんNAOTOさんの3人だけど、重厚に。一本さんの淡々としているようで、人間的な熱さが乗ったコントラバスが好きです。にこりともされないとこも、いいな、と思いました()。 更にチェロの水野さんを迎えての「リベルタンゴ」も強い情熱が表現されていて素晴らしい熱量でした。水野さんのチェロは色っぽい。正にこの曲にピッタリと思いました。 そしてバラード登場。いつライブで聴けるのだろう…と待ち遠しかった、大好きな曲「Stay With Me」。聴いたら泣くだろうな…と想像してたけれど、ライブで聴くととても温かく聴こえて、安心や喜びの方を大きく感じました。たぶん、NAOTOさんが皆のことを想って弾いてくれてるんだろうな…と思います。一人一人に、貴方に此処に居て欲しい、と伝えてくれているようです。ああ、居てもいいんだな…って嬉しくて、とても癒されました。ちなみにこの曲だけ一本さんがお休み。引き算する音も素晴らしいです。

本編最後は楽しく「Get over it」と「HIRUKAZE」。「Get over it」のアレンジが私はもの凄く好きでした! ジャズっぽくメロウに始まったかと思ったら、お馴染みのパンチが効いたイントロへと云う展開もカッコ良く。終盤、各パートでのソロプレイも楽しかった。意外にも柳原さんは柔らかく、静華さんは音の最初のアタックが強いんですよね。お二人の特長がなんとも絶妙で楽しかった。

最後まで美しいNAOTOさんの背中を皆で送り出して、でもすぐに拍手に応えて戻って来てくださって、アンコールは「Si-So♪Dance」。これをクラシカルコンサートで聴けるって最高です。原曲より煌びやかで荘厳な感じが好きです。

 

本当に本当に、これほど終って欲しくないと感じるコンサートも珍しい。細胞の水分に浸透して来るような弦楽とピアノの響きで、全身が幸せでした。素晴らしい室内楽ホールで、音に溺れるような体験。2024年のライブ初めがこのコンサートで本当にラッキー。すごく嬉しく、そして機会を得られたことに感謝、ひたすらありがたいです。

ありがたいと言えば、このコンサートを企画・運営されている、くすりの福太郎さんとLIONさんにも感謝。ずっと毎年続けて、沢山の人に聴いて欲しいし、幸運を手にできるなら、また何回でも聴きに来たいです。帰りにはお土産まで頂き、記念になって嬉しかったです。福ちゃんのマスコットかわゆい♪


もっともっと聴いていたかったし、超絶カッコいいNAOTOさんをずっと眺めていたかった。黒いお衣装のNAOTOさんも色っぽいけど、真っ白のNAOTOさんが大好きです。綺麗☆ そして今回、作曲家やアレンジャー、音楽監督…と幅広く俯瞰して音楽活動されているNAOTOさんの、ヴァイオリニストとしての凄さを体験できたコンサートでした。すごく幸せです。まだまだ進化されるNAOTOさんに、振り払われないように、自分も感性を磨きながらついて行きたいです。今年20周年イヤーへ突入。これからどんな音楽を聴かせてくださり、どんな風景を見せてくださるんでしょうか。めっちゃ楽しみです!
4月5日に東京でバンドスタイルのライブ、4月13日に大阪でヴァイオリニストだらけのVIOLIN PARTYのライブ開催!!!沢山の人に聴いて頂きたいな~。

www.naoto-poper.com