ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

ワンハーツ・スティールオーケストラ『20周年記念 大コンサート』 @吹田・メイシター(2022/12/10 ライブレポート)

楽しみにしていた、山村誠一さん率いるスティールパン・オーケストラのコンサート。初めて聴かせて頂いたのは、ちょうど2年前の12月、誠一さんの還暦記念ライブが延期になって開催された、なんばHatchでの公演。さえずりな夜みたいに、スティールパンが主体になっている音楽も初めてなら、スティールパンが数十台並ぶオーケストラなんて、想像してみたこともなかった。ので、そのド迫力と、陽気な楽しさに一聴して虜になった。スティールパンって、こんなおもろいのかぁ!と、自分の中で一気にポピュラーな楽器に昇格しました。

その後、何度かコンサートの告知を目にしつつも、なかなかタイミングが合わず、今回2年振り、2回目のオーケストラ拝聴。やっぱり凄い迫力!

だけど今回は、前回と少し印象が違った。大きな音とパワーで鳴らす迫力の音楽ではなくて、強弱のメリハリや緩急を豊かに表現する、聴かせる音楽を演奏されていた。楽器の特性を思うと、これって凄いことだと思う。そんな音楽へと導ける誠一さんも凄ければ、それについて行きはる楽団のメンバーも凄い!

 


仕事帰りでかなりギリギリに会場に着いたけど、開演を待ってるとBGMが押尾コータローさんの曲でした、流石です(笑)

そしても一つ流石と思ったオープニング。誠一さんがお一人でステージに出て来られて、スティールパンのソロ演奏。曲は『Merry Christmas Mr. Lawrence』。7月にフェスティバルホールで行われた押尾さんの20周年記念ライブの時、1曲目に演奏されたのが、やっぱりこの曲。誠一さんもそれを聴いて感慨深かったと仰っていたので、ご自身が主導して来たオーケストラの同じく20周年の場で、この曲を1曲目に選ぶと云うことに、想いと愛が詰まってるなぁ…と感じた。ジーンと来て早くも涙ぐみました。

その後、なんばHatchで聴いて衝撃を受けた『ボレロ』が早速2曲目に演奏され、クラシックナンバーが続いての『威風堂々』。どちらも聴かせる音楽。聴き入りました。

その後、ラテンのリズムの曲が続き、それぞれリズムの種類が違って、そんなお話しや違いを感じるのも楽しい。スティールパンはやっぱりカリブの楽器なんだなぁ…と感じます。

 

7曲目『東京ブギウギ』から、本日のゲスト・二階堂和美さんが登場!
初めて聴かせて頂いたけど、伸びやかな声と、言葉がちゃんと伝わってくる歌声で、なんとなく懐かしい昭和歌謡な感じの空気がいい。カバー曲、オリジナル曲を独特の雰囲気で聴かせてもらい、映画「かぐや姫の物語」のテーマ曲である『いのちの記憶』は、しっとりとした数台のスティールパンの音を伴奏に、しみじみ沁みる歌。素晴らしかった!

 

12曲目『Maiami Transit』からは再びインストゥルメンタルの演奏に戻り、誠一さんのオリジナル曲など、ワンハーツの定番曲が続き、『NaNaNa』で本編終了。アンコール2曲もお馴染みの曲で『どうにも止まらない』のカバーと、代表曲?の『Caribbean beans』で楽しさ最高潮。最後のもう一度二階堂さんを迎えて『お別れの時』で盛大なフィナーレ。数十台のスティールパンに負けない二階堂さんの声の響きが凄い!

 

オーケストラの演奏も、色んな曲調の表現を大人数で担当して、それぞれの技術が素晴らしいと思う。今回はMCでスティールパンそのもののことや、舞台上でのパート別の配置のお話しなど、様々なことを解説してくださって、それもとても楽しかった。中央がメロディ担当のテナーパン、外ほど低い音の楽器を配置しているそうで、自分達の演奏のしやすさや、客席への音の伝わり方とか、考えられているのだな…と感じた。

大人数で一斉に同じ演奏をするのではなく、それぞればパートを担当して組み立てられう音楽は、正しくオーケストラだけど、こんな繊細な表現ができるスティールパン・オーケストラは、きっとワンハーツだけだと思う。(知らんけど…たぶん。)
初めて聴いた時はとにかく楽しい音楽!と感じたけど、今回はじっくり堪能できるコンサートで、それもまた凄く楽しかった。
もっともっと日本中の人、そして世界中の人に、ワンハーツの音楽を聴いて欲しいなぁと思う。これからもっと、コンサートを観に行ける機会が増えますように☆