ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

ギャラリー島田・サロンコンサート(ライブレポート)

神戸北野にある知る人ぞ知るギャラリー島田さん。今月20日まで開催される画家・井上よう子先生の個展で、ギターの先生がミニコンサートをされたので観に行きました。
20201205_03


お二人の出会いは2年前とのこと。三木市堀光美術館のイベント以来、井上先生の個展で何度が演奏されていて、ずっと参加したかったのですが、やっと今回観に行くことができました。井上先生のブルーをテーマにした静かだけれど叙情的な絵画に囲まれて、アコースティックギターの柔らかい音が響く空間は、最高に贅沢でした。私が勝手に感じているお二人の共通点は、凛とした美しさ。真っすぐな色と音。表現方法は違っても、相通じるものがあるから、こうしたコラボレーションが成立するのだなぁと思います。

”静けさ”や”Calm”と云うのは、音がないことではなくて、雑音(雑念)がないことなのかな、と感じました。

堀光美術館の時に、井上先生の絵からインスピレーションを受けて作曲された『Linked Ocean』と云う曲は、広がりがあって伸びやか、軽快なワルツで大好きな曲ですが、今回はこの個展のメイン作品である『光へ…翔ぶ』とタイトルされた絵から曲を作られたとのこと。
20201205_01
ゆったり・のんびり、穏やかな海を感じさせる温かい曲でした。不思議と日本的だなぁ…と感じました。

 

風景から曲を作る、と云う話しはよく聞きますし、自分自身でも少なからずその感覚が理解できますが、絵画から発想を得ると云うのは、画家さんの絵を描くに至った経緯や、その方自身の歩んできた人生と云う、ストーリーも一緒にメロディーに乗せることになるのかな?と思ったりします。何かを表現して形にしたものから、更に別の形になって行く表現。とても面白いし、それができる表現者の方たちを羨ましく思います。アーティスト同士の化学反応って、観客としてもとても楽しいです。

 

熊谷先生のコンサートでは、ピックアップとアンプを通した音をよく聴きますが、今日はマイクで集音された生音に近い音でした。そのためか、ナイロン弦のギターの柔らかい音の方が気持ち良く聴こえました。コンクリートの建物だったので、鉄弦のギターだと少し尖った感じに聴こえたのかもしれません。普段はどちらかと云うと鉄弦の音の方が好きなんですが、場所や音作りによって、ライブの時は色んな感じ方をするんだなぁ~、と先生のライブを聴きに行くようになってから思っています。

 

こう云う状況の中でも、感染対策に気をつけながら開催して下さったギャラリー島田さんに感謝です。やっぱりアコースティックギターは、小規模のライブコンサートで楽しみたい、としみじみ想います。これからもこう云う機会が度々あるよう、希望するばかりです。
20201205_02