楽器練習備忘録

バイオリン出戻り初心者1年生。時々アコギも?

11/3(月・祝) 弦楽器メッセ 2025 in 大阪梅田 @ ブリーゼプラザ・小ホール

 クロサワバイオリンさん主催の弦楽器メッセ。全国展開されている楽器屋さんだけど、このメッセは毎年どこかの都市で開催されているのかな? お恥ずかしながら今年はじめて存在を知った。11/1~3の三日間開催されて、3日目に1日店長さんとして、NAOTOさんが登場!すごい企画。


以前にもクロサワバイオリンさんで、NAOTOさんが1日店長さんをされて、楽器の選定を一緒にしてくださると言う企画があった。その時は、まさか自分がまたバイオリンを弾くようになるとは思っていなくて、敷居が高くて見学に行くこともなかったけど、昨年からレッスンを再開し、そんな機会がまたあったらいいなぁ…とぼんやり想っていた。実はクロサワバイオリンさんに、またやってください!とメールしたこともある(笑)。でも思いの外、早くチャンスがやって来た。不意打ちで、失業するかもと言うタイミングもあり、金銭的にも厳しいしどうしよう?!となったけど、今回の弦楽器メッセでの選定会は、たった3枠だけと云うことだったので、応募しても当たらない可能性の方が遥かに高いので応募してみた。
年末ジャンボ宝くじ並みの狭き門…と思っていたら、なんと当選通知が! なんか、残りの人生のクジ運を全部使ったんじゃないかと云う気すらするけど、ライド・オン!
緊張しつつも、めちゃくちゃドキドキ・ワクワク行って来た。

ほんとのことを言うと、元々いい楽器とか、あまり関心がない方で、問題なく音が出れば、それで幾らでも練習できると思っていた。でも、色々な方から、バイオリンは最初から良い楽器を弾いた方が上達が早いと言われ、最近は先生も、もうちょっと良い楽器の方が…と、何度か言ってくださってて、その気になって来たところだった。

当日は、午前中の1番目の枠だったので、オープンの11時と同時に入場。
もうNAOTOさんがスタンバってくださってて、クロサワバイオリンの梅田店店長さんや、アーティスト担当の方にご挨拶をして、NAOTOさんにもご挨拶。
早速どういう方向性で…という話しの確認になり、応募の時のアンケートには、本体と弓と両方で、と書いていたのだけど、教室の先生や、他の方からのアドバイスはいずれも、本体にお金をかけた方がいい!というものだったので、その方向性で伝えさせていただいた。いま使ってる弓は先生が貸してくださっているのだけど、当分用事はないから貸しておいてあげると言ってくださっていて、フランス製のそれなりに良い物なので、今の自分には全然不足ではない。

最初に、今の自分のバイオリンと弓で、NAOTOさんが弾くとどれくらいの音がするのか、聴いてみてくださいと言って、弾いてくださった!それだけで感激(笑)。
いやいや、喜んでる場合じゃないのよ。と気を引き締めつつも、この日一日、NAOTOさんが弾くとどんな楽器でも、それなりの音がしてしまうと言う魔法に、苦しむことになるわけでw 自分が弾いてるバイオリンも充分いい音だな、と思えてしまって、ほんとに買っていいのだろうか?と躊躇するほど。

予算を伝えていたので、新品のそれくらいの価格のコーナーからスタート。
まずはNAOTOさんが順番に楽器で音階を弾いてくださって、2mくらい離れたところで正面から音を聴かせてもらう。はっきり違いがわかるものもあれば、微妙な違いしか分からないものもあった。さっきも書いたけど、超一流の人が弾くと、テクニックでカバーできるから、安い楽器でもいい音がしてしまうのだと、よく分った。
NAOTOさんも、弾いてみた感想を聞かせてくださるけど、それが自分が感じた事と違うと、なんだか急に自信がなくなってしまう。もちろんNAOTOさんの感覚の方が正解なのだけど、それが理解できない自分が何とも心許なく、こんな鈍感な耳をしている自分が、良い楽器を持つ意味があるんだろうか?と、どんどん迷いが出てきた。あと、NAOTOさんは頭の回転が速くて、お喋りも得意なので、色々説明してくださるんだけど、私の鈍い思考では全く頭が付いていかなくて、情報処理できず、途中頭がパンパンになってしまった。加えて、選んで決めなきゃいけないと言うプレッシャーと、目の前にNAOTOさんがいる緊張で、逃げ出したいような気分になっていた。

泣きそうになりながら、それでも、こんな感じの楽器がいいと、以前試奏した時にUsedの楽器がよかった事を伝えて、目先を変えて、UsedやOldの楽器が展示されているコーナーへ移動。ないと思っていたら、そこにも希望の予算ぐらいのものがあり、嬉しくなった。弾いてみてもらっても、新品の物よりずっと好きな音だった。
最初はフランスの楽器。それぞれ音が違って、好きだと感じる音色のものもあって、少し気持ちが落ち着いてきた。
次はドイツの楽器。予算内のもの、それに近いものでも、好きだな…と思うものがあったけど、一番これが好き!と思ったバイオリンは、予算の遥か上、倍くらいのお値段のものだった。
このコーナーの幾つかの楽器を自分でも試奏させてもらって、この中から決めようかと思ってたところ、NAOTOさんがせっかくだからこれも弾いてみたら?と、さっきの予算倍のお値段の楽器を提案してくださったので、弾いてみた。やっぱり凄くいい。欲しい。でも、どう考えても高いな~…と諦め気分でいたら、値切ればいいと、まさかのご提案(笑)。流石、社長。流石、大阪人。楽器を値切るなんて思ってもみなかったけど、NAOTOさん自ら、クロサワバイオリンの偉い人に声をかけてくださり、ご担当の方も「え?!」となりつつ、早速あちこち電話してくださっていた。
結果、プライスダウンは叶わなかったのだけど、価格表記をよく見ていなくて、その表示価格から30%OFFということがわかり、それなら予算に近い!と、もう即決でした。勘違いしていたとは言え、気に入った楽器を諦めなくて良かったと心底思った。きっと1人だったら、尻尾巻いて帰ってたと思うので、NAOTOさんがいてくださってこその出会いだった。本当に感謝です。

購入したのは1850年頃に製作されたドイツ製のバイオリン。破格のお値段になっていた理由は、ノーラベル(本体内側に貼られている、制作者やシリアル番号、製造年などが書かれたシールがない状態)だから。NAOTOさんも、この音でラベルがあったら、1.5倍の価格はすると思うと仰ってた。界隈、そんなものなんですね~。
家に帰って弾いてみて、自分から出ている音で幸せになれると言う感覚が、ほんと久々のように感じた。なんかとっても幸せなのです。
そして、200年弱の時間をこの楽器が過ごしてきたことを思った。人間は200年も生きられないから、なんだか、とっても不思議な感覚になる。今まで、何人くらい、どんな人が弾いてきたんだろう。とても上手な方も弾いていたのかもしれない。どこの国の人なんだろう?…などなど。
後から調べて、10代の頃、自分がバイオリンを弾きたいと思ったきっかけだった、シャーロック・ホームズの時代と近かったり、大好きな作曲科・チャイコフスキーが生きていた時代だったり。ほんとに、その頃からこの子がリアルタイムで時間を過ごして来ているんだと思うと、感慨深いものがある。
次に弾く人に繋ぐまで、私が大事に弾いて、少しでも良い音で鳴らせるようにならなきゃ…と思った。

バイオリンを決めた後、安い物でいいと思っていたけど、結局そこそこのケース(いや、カーボン製の中ではリーズナブルで良い品だと思うけど)も購入し、ローンの手続きもして、NAOTOさんに笑顔でお礼を言うことができた。ほんとに嬉しいし、ありがたい。クロサワバイオリンのスタッフの皆さんも、メールでやりとりしていた時から、とてつもなく親切だった。NAOTOさんも、超一流のアーティストなのに、こんな庶民の目線まで降りてきてくださって、申し訳ないやら嬉しいやら、複雑な心境だったけど、1時間半という長い時間、すぐ傍にいられるだけでもとてつもなく幸せなのに、間近で生音を聴けるなんて、とんでもなく貴重な経験だった。できれば選定なんかしないで、音だけ聴いていたかった(笑)。


お手伝いで、NAOTOさんの可愛いお弟子さん・まつおかのどかさんもいらっしゃって、合間合間にお喋りができたのも嬉しかった。

選定時間の後、大阪駅に1時間ほどフリーライブを観に行って、またバイオリンを戻って来た。最後にNAOTOさんが、2億円のグァルネリを弾いてくださるというので、生音で間近で聴けて、本当に嬉しかった。のどかさんとのデュオで「Smooth Criminal」、ソロで「家族になろうよ」、一緒にいたNAOTOさんファンの方が持っていたバッハの楽譜も。やっぱりこれくらいのレベルのバイオリンになると、バラードやバッハの方が聴き応えがあるなぁ…と思った。伸びやかで柔らかい音。素晴らしかった。

思い返しても、ちょっと現実味のない1日だった。
でも、手元にあるお気に入りのバイオリンが、現実だったことを教えてくれている。これから先、きっと壁にぶち当たることがしょっちゅうあるのだろうけど、この日のことが、背中を支えてくれると思う。
NAOTOさんとの想い出もいただいた。人生のSerendipityとしか言いようがなく、本当に幸運に感謝。まだまだ幸せを噛みしめよう。