ハミングバードの音楽とギター備忘録

ソロギター(Fingerstyle Guitar)の練習帳と音楽日記。

BRIAN ENO AMBIENT KYOTO@京都中央信用金庫 旧厚生センター(イベントレポート)

10代半ば頃、細野晴臣さんの影響で所謂「アンビエントミュージック」と呼ばれるジャンルの音楽が好きだったことがある。ブライアン・イーノなくしてこのジャンルはないけれど、正直ブライアンの音楽は名盤『Neroli』くらいしか聴いてなくて、どっちかって云うと、ロジャーがやってるプロジェクトをよく聴いた。

そんな自分でも、こんなスペシャルな展示が近くで行われるとなれば、昔を思い出して絶対観に行きたい!!と思い続けて、はや二ヶ月。残すところ一ヶ月を切って、やっと観に行って来た。そして行って良かった!!

 

「音と光の展覧会」と云うコピーが付いている通り、そう広くはない3階建てのこじんまりした建物に、全六ケ所の展示スペースが設けられて、それぞれの場所でコンセプトごとに、光のアートと、イーノの音世界に溺れることができる仕組み。

リフォームしてあるのだろうけど、レトロな雰囲気の建物がまた良かった。

今回撮影OKだったのに、シャッター音がする物は禁止とのこと、ガラケーしか持っておらず、デジカメ持って行くんやったーー!と激しく後悔。そして、靴を脱いでリラックスして空間に浸る場所が二か所あり、靴下履いて行くんやったーー!とそこも後悔。
9月3日(土)までに、絶対リベンジしよ!と決意しました。も一回行くで!

 

正直それくらい良かった。今回、次に予定があったので1時間くらの滞在やったけど、全然時間足りなかった。2時間くらい確保して、今度は夜に、また観に行こうと思う。

 

多分一番メインとなってる展示は1階にある広場での「77 Million Paintings」と題されたスペースやったと思う。中央の壁にパターン化された複数のモニターが設置され、それぞれの映像が少しずつ変化する視覚アートと、コンセプトが感じられない、正にアンビエントなイーノの音楽がマッチして、ずーーっと座ってられそうな空間。

広い部屋の中に竹のような細い柱が何本も配置され、ゆったりと座れるソファーで、そのヴィジュアルと音楽が楽しめる。会場のクーラーも適温(笑) ほんま、避暑に最高なんですけど…。

 

他の展示スペースはわりとこじんまりしていて、それぞれ面白かったけど、結局自分が一番好きになったのは、最も視覚効果を削ぎ落した暗闇の部屋、3階の「The Ship」と題されたスペース。今回の展覧会で最初に通される部屋だけど、足元お気をつけくださいのご注意と一緒に、入り口でスタッフさんが優しく簡単に観方をアドバイスしてくれる。どこに座ってもいい音で聴こえるようにしているので、床など、好きな場所に移動しながら座ってください…、とのこと。

中は、うっすらと人影やスピーカーの場所が分かる程度の暗さ。ベンチもランダムに設置されていて、私も最初座ったけれど、結局アドバイスに従って、色んな場所で床に座って音を楽しむ方が面白いと感じた。複数のスピーカーからサラウンドに音楽が聴こえて来る仕組み。

そう、この部屋、もうとにかく音が最高に気持ち良い。かなり大きめの音で、かつ視覚を奪われているので、すごく耳の感覚が鋭くなってるところに、時々けっこうガツンとした効果音や歌声も聴こえて来て、生き物としての原始的な感覚を刺激されるようだった。

で、薄暗がりの中で、そのいい音が聴こえて来る方になんとなく目をやると、隅っこに何やら見慣れた物がある…。このタワー型のスピーカー… …おお!これ、BOSEのL1じゃないかい?! 押尾コータローさんがデジマートの動画で試奏していた、あのL1じゃないのかい?! と一人俄かに興奮。携帯のライトを点けて、スピーカーににじり寄って型番を確認するも、はっきりとは分からず、BOSEのロゴも見当たらなかった。その時の私は、完全に不審者やったやろうな(汗) …で。部屋を出てから例の優しいお姉さんに聴いてみたら、音響担当のスタッフさんをわざわざ呼んでくださった…。なんて親切な…ありがとうございます(合掌)。そしてやっぱり、BoseのL1 Pro8でっせ、と教えてくださった。正に、あの押尾さんの動画の、あの機種です。

www.digimart.net

このスピーカー、ほんまに凄いと思う。今回は広い部屋の四隅に1台ずつ設置されて、最大限にその音の表現力が発揮されていた。なんと云うかL1の音って、まさしく音像があると云うか、声や音が立体的な形になってこちらに伝わって来る。空気の振動で3Dのオブジェが出来ているような感じさえするのです。特に今回みたいな展示で、アンビエント音楽で空間を作り上げるのには、持ってこいのスピーカーやと思った。

この部屋の展示の意図は、人間のエゴを感じさせるようなダークなものだけど、でもシンプルに音楽を味わう空間として、もの凄く心地よかった。もう何なら、枕持って行って2~3時間昼寝か瞑想したいくらい(笑) 実際、床に点々と座っている人達は、すっかりイーノの音世界に魂を持っていかれてオブジェ化し、環境と一体となってしまっていました。私も入って来た人に、何度も手を踏まれたり蹴られたりしました(笑)

そしてこの部屋もクーラー適温で、ずっとおれます。

 

子供の頃から黎明期のシンセサイザー音楽に馴染んで育ったので、自分にとっての「いい音」って、アコースティック楽器の生音より、シンセサイザーの音が基準になってるかもしれない…と、今回思った。ただしそれは、近年のコンピューターで簡単に作られたエレクトリックサウンドじゃないやつ。イーノももちろんコンピューターは使うだろうけど、使い方が最近のDJとかとは全く違うと思う。

自分にとっては故郷みたいなアンビエントミュージックやけど、久々にやっぱりしっくり来るな~…と感じて、ふと、今夢中になってるアコースティックギターの音楽と、何もかもが真逆のように感じた。アンビエントって、はっきりしたメロディー展開がない。絶対ソロギターで表現できない音楽。それもまた面白い。

 

とにかく、こんなにマニアックで素晴らしい展覧会が、大々的に行われていて、かつ老若男女が沢山訪れてることが嬉しかった。ほんとに、会期中に絶対もう一回行きたい。今度こそ、絶対デジカメ持って行くで!

ambientkyoto.com